
「愚か者のフランス人め!イェニチェリの石弾砲で、コンスタンチノープルの二の舞にしてやる!」
もう先週の話になってしまいましたが、仕事から帰ろうとすると、ニートの愚弟からメールが入りました。
愚弟「『エイジオブエンパイア3』、買っといたで。」
マルメン「…それ、誰のお金で?」
多くのゲーマーを唸らせてきた、なんていうか、こういう感じのゲームの決定版「エイジオブエンパイア」の最新作が、ついに日本語版がでたということでね。私も1、2と一応やってきました。アクション起こすと色々喋るんですけど、港で船作って「フネーイ!」と言う時は笑いました。それって1の話ですけど。
今回、舞台が15〜19世紀のアメリカで、植民地の争奪戦を繰り広げると言うことで、なんとも私のために作られたような感じではありませんか!しかもアメリカの歴史に出てこないはずのオスマン帝国までしゃしゃり出てくる。オスマン帝国は火砲に関しては、実に先進国なんですよね〜
今回は英・仏・独・西・蘭・露・葡にオスマン帝国(※オスマントルコは名称としてはあまり正しくない)などのホームシティを選択し、文明技術は特色に応じた発展をするようです。フランスは交渉が上手、オランダは銀行を持つ、などなど。
洋ゲー発展してきて、国産振るわず悲しい中、ひとつ憂さ晴らし出来るのはXBOX360の低迷ですけども、マイクロソフトを舐めちゃいけません。えらいゲーム作りよる。
っていうかね、取扱説明書を読んで一番驚愕したんですわ。
「このゲームの目的」という項目なんですけども、
「エイジオブエンパイア3の目的は、他の文明を全て征服する強大な帝国を築き上げることです」コーエーのバカ、見習えよ!
無いわ、本当に無いわ、こういう発想、日本に。
「文明」を「征服」ときた。
驚いた。なんたる強欲。そういう欲求を持ってモノ作りするヒト、日本にいますか(笑)
いやすごい。いや驚いた。
そんなこんなですが、案の定買った初日しかやらずに、積みゲーとなりました。

私の絵って鉛筆の線が範囲指定取れないもんだから、カラーは全部ペンタブでなぞる、要は手塗りと同じなんですよね。一回でベタって塗れたらさぞや楽なんだろうな。
書評です。
明治時代の官僚に久米邦武というひとがいて、岩倉使節団の一員、咸臨丸でアメリカ〜ヨーロッパ回ってきた人の旅行記です。岩倉具視、大久保利通や木戸孝允と一緒に回って、世界の実力見て仰天し、帰ってきたら西郷隆盛らが「征韓論」で盛り上がってたんで大慌てで止めた、というヤツなんですけどね。
カタカナ文で読みにくい本だけど、アームストロング社やクルップ社の記述があったんで、2巻と3巻だけ買いました。ハマりました。全部買おうと思います!
熱い官僚にね、感情移入しちゃうんですよ。この時代の人たちって、省益優先とか出世争いとか邪心持たずに、とにかく生まれたばかりの国家・日本を起動させようと四苦八苦するんです。徳川幕府が結んでしまった「不平等条約」をどうにかして撤廃させたいんですね。北海道や対馬を租借地にされたくないんですよ。そのために海外を回り、とにかくサルマネでかまわん、良いところを全てを吸収して、一等国の仲間入りをするんだ!この大慌てで開化していく日本を見て、韓国や清・中国は笑うわけですよ。プライドないのか、和服脱いで、洋服着て、そんなに米欧が怖いか、認められたいか。
それでも歯を食いしばって頑張った。頑張ったから、日清戦争に勝ち、日露戦争にも勝った。私も変な方向に走ってしまわぬよう気をつけましたが、この明治人たちの必死さ、健気さ見習うところ「大」でして、その辺は「坂の上の雲」に詳しいです。
さてさてこの『米欧回覧実記』、西洋かぶれというのは情けないことかもしれませんが、とにかく筆者久米邦武がロンドン・パリをめぐり、いちいち「うわ〜すごい、うわ〜すごい」と感心してる様がとにかく可愛いんですよ。邪心無いから。でも一方で、その栄華がどうやって出来たかを一生懸命冷静に観察しようとしてるんです。
「英の全国は、黄金花を結び、百貨林をなして、貴賎上下、ことごとく皆昇平鼓腹せん。それ然り、そもそも安楽は困苦の結びし果実にて、富貴は勉強の開きし花なり。英国の富庶世界に冠たるは、その人民の営業力が他に超過せるによる。これをもって言えば、英国に住するもの、一国も怠惰するをえず。かつて聞くスペイン人は、終日眠るを業とす。また曰く、英人の足は地に止まることなく、ゆえにスペイン人も昼寝を少なくすれば。勤勉と人の称するに足るべし。」
当時世界最強の国は「日の沈まぬ帝国」イギリスでした。
でもその帝国は勤勉だから出来たんだ、この勤勉さは持って帰ろう、そう思ったんでしょうね。この思いそのものは、怠惰な私も共感してやまないところではあります。

中村獅堂演じる機銃の内田。小説の方を読んでても思ったけども、良くも悪くも、この内田は「男たちの大和」の印象を決定付ける。キャスティング聞いた時点で、かなりのはまり役であると思った。
昨晩深夜12時の回に見に出て、まあクリスマスということもあるのかもしれないが、「マジで深夜?」と思うくらい入っていた。
総合評価 ☆☆☆★★
以下反転ネタバレ。
私はマジで超重要なことをバラすんで、見る気のある人は止めたほうが良いです。
行く前は「自分のために作られたような映画だ」と気負いこんでいったんだけど、残念ながら実際はそーでもなかった。ただ、2時間潰す価値はあったかと。
良い所。
金かかってるし、ストーリーもありえない妄想話してるわけじゃないんで、納得行きました。海戦シーンのド迫力。大和の圧倒的な存在感!!コーエーなんてメじゃないぜっ!
泣いてる人いたし、私も何回か目が潤んだ。ちなみに、涙腺は緩いほうで、WEBマンガレベルでも潤む時は潤みます。
悪い所。
これはポイントポイントなんで列挙します。つまり総体的に良かったってことです。
1、「大和」を作ってるシーンが無い。(最大のショックでした)
2、シーンの「繋ぎ」が素人目に見ても、明らかにぎこちない。
3、内田が山本五十六からもらった短剣、かなり重要扱いしてるのに、五十六から貰ったシーンが無い。
4、爆発ぶっ飛びでおんなじポーズで飛んでるスタント、三回くらいいたような…?
5、反町演じる飯炊き・森脇が死ぬシーン、「男たちの大和」物語のテーマを最も如実に表現してるシーンだと思ってたんだけど…これはちょっとな、という感じ。シーンがあっただけでも良かったとするべきか。
6、「大和」が極秘裏に建造された秘密戦艦だった、という点はおおかた無視している。
3と6は入れたら3時間超えるから、削ったのは理解できます。
物語は現代から。鈴木京香演じる内田の養子が、仲代達也演じる元大和乗組員・機銃の神尾(亀尾?)をたずね、戦艦大和の沈没点へ行くという話から始まる。そこから若き日の神尾がオーバラップしてきて、大和の話へ入る。
小説作者の辺見じゅんが女性だったから、この辺のシーンはそこの取材を被せて来てるんだと思いながらも、この序盤シーンそのものがかったるい。戦争興味ない世代代表の少年が出ていて、仲代達也と「老人と海」っぽいけど、正直どーでも良かったし、流れとしては「タイタニック」をなぞる感じしたのはどーかな。
マルメンライト的にものすごく残念だったのが、この「戦艦大和」を作ってるシーンは完全に無かった、ということ。小説版にはちゃんとあったわけよ。そこ飛ばすかー。小説では、太平洋戦争開戦前、ドックのある呉市の市長が、海軍憲兵隊に突如逮捕される、というショッキングで陰謀めいた、終わりの始まりを意識させるスタートを見せ、のめりこませてくれました。前代未聞のフネを作るには、前代未聞の工場がいるのだ。
私が「大砲を作るマンガ」を描いてるんで、今その点にものすごく興味があって。まあだからこそやってるんだよな、と妙に思ったりしました。映画はいろんな層へ向けてるんだな、と思い、軽い喪失感を味わう。
少年兵たちのメロドラマの部分が王道そのもので、臭さも感じるけども、そこで泣く人がいたんだから、逆に良かったのかもしれない。王道の中には、なかなか切り口鋭いものも滑り込ませていたと思う。最後の上陸の際、神尾の母が死んでた、とか。
反町隆史は良かったと思う。っていうか、厳しい厳しい戦艦の生活の中で、甘いものとかサンドイッチとか横流しできる食料係の班長っていう役、おいしいなー。「大和」のコックは史実でも本当に腕が良かったらしい。ホント、ワンピのサンジじゃないけど、フネの性格を決めてしまう程のものらしい。
問題は、彼が死ぬシーン。
別の将校の死に様を、森脇に置き換えてる。
これなんだけども、とにかくラスト「大和」が魚雷受けて傾き、徐々に沈没していく中で「総員退避」の命令が出る。大勢が投げ出されて、駆逐艦に救助されるシーン。
ここで森脇が、死にかけの神尾を助けて、自分のロープを持たせる。他の人も助けまくる。(他を助けるシーンは無かったが)「死ぬな、生きろ」と言う。
で、その後。助けられるだけ助けた森脇は、「大和」の方へ向って泳いでいく。
この描写はちゃんとある。あるんだけども泳いでいく森脇があるだけで尺短いし、後付けの説明も無い。小説読んでない大勢は、「きっと森脇は他の遭難者を助けに行ったんだ」と思っちゃいますよ。違うんだー!あいつは、助けた人に「生きろ」と言ったくせに、自分は「大和」と一緒に死のうとした。
私にとってはここ重要なんですよ。森脇に助けられた人、その他戦争で戦い、生き残った人たちが感じ続けた「喪失感」。特攻と言う「死に場所」を与えられ、命を捨てる覚悟もした。なのに生き残ってしまった。それが誤りだったのか、正しかったのか…。「死に場」を奪われ、「生き場」を与えられてしまった。その双方の価値を確かめたい。そこが「男たちの大和」のはずなんだがな…。…てなワケですが、中村獅堂の怪演もあって、満足殿高い映画です。

シリーズ書評。スジと感想です。ネタバレなんで、反転。
タイトル…「荊の城」上・下
著者・訳者…サラ・ウォーターズ・中村有希
19世紀半ばのロンドン。17歳になる少女スウは、下町でスリを生業として暮らしていた。そんな彼女に顔見知りの詐欺師が、ある計画を持ちかける。とある令嬢をたぶらかして結婚し、その財産をそっくり奪い取ろうと言うのだ。スウの役割は令嬢の新しい侍女。スウは迷いながらも、話にのることにするのだが… CWAヒストリカル・ダガー受賞作者の第2弾。2004年度宝島社「このミステリーがすごい」海外編第1位!
以下ネタバレ含む感想
感想としては結構満足度高いです。☆☆☆☆★。
上下巻2000円のこの本は3部構成になっていますが、目次にこのことは書いていません。第1部、スウ視点。第2部、モード視点。第3部、またスウ視点です。とりあえず、第1部の値段が1500円です。2部が400円。他はスジを追ってただけになってきますね。でもそれくらい第1部がよかったです。
第1部で、ブライア城の令嬢モードを結婚詐欺にかけ、財産を奪ったあげく精神病院へ放り込むという、鬼畜の計画を立てたスウと詐欺師の“紳士”ですが、実際計画に入ると、なんとスウとモードお嬢さんが百合に墜ちてしまいます。
モードは“紳士”いわく、「気が狂ってる」ということだった。しかしスウは、「この娘は気が狂ってるというより、楽しいことを何も知らずに育てられてしまったんだ」と気づきます。モードが卵を嫌いなのにずっと前のメイドに食べさせられていたことに気付いたり、カードゲームや恋占いを教えたりします。モードは伯父が神経質なせいで、いつも手袋をし、美しくて柔らかい手をしています。
ここまでは良かったんですけどね…
話が怪しくなるのは、モードが歯が痛いといった時に、銀のゆびぬきで尖った歯を削ってやるシーンあたりからです。イマ○チオみたいなシーンに仕上がってますw
モードは寂しがりなので、夜は一緒のベッドに寝ます。これは当初、健全な意味でです。だけど、息遣いを聞いたり、触れようとして止めたりと、だんだん百合の芽が…
そこへついに紳士がやってきます。すでにモードは紳士にぞっこんいかれています。急にそっけなくなるので寂しいスウ。絵の授業の合間に、紳士はモードにキスしたり触ったりします。やりたい放題っていうか、まあそうでもないんですけど。残酷です。スウ嫉妬。紳士は貞操観念が出来た人なんで、一線越えないけど、しかしこれは寝取られといって、過言ではない。
ついに紳士がモードにプロポーズ、計画も大詰めですがスウは気が気じゃありません。モードは自分を信頼し、プロポーズにどうしたらいいのか相談をもちかけます。「そのプロポーズを受け入れたら、財産を自分と紳士に盗まれ、モードは精神病院へ…」
このあたりの葛藤がものすごく面白かったです。百合属性でかなり気落ちした私ですが、かなり熱いシーン。…悩むスウですが、心を鬼にし、結婚を受け入れて駆け落ちしなさい、とアドバイス。これでモードは破滅です。
そして、モードはスウに、「初夜のやり方を私に教えて」と…
…これは、ねぇ。
「腐」というやつかも知れませんね。
上がったり下がったりなんですよ、テンションが。
ただ、ここまで来るとなんかこの百合ッ気もなぜか受け入れて
読んでしまいました。
しかし、どんでん返しで、精神病院に入れられるのは、なんとスウになります。モードは結婚を後悔して本当に気が狂ってしまったふりをして、ボロを着たり髪を細工したり、スウに宝石類をつけさせるなど巧妙にスウへ罠を仕掛けていたのでした。モードと紳士は実はグルなのでした。スウは屈強な看護婦に取り押さえられ、モードと紳士は逃げてしまいます。
ここで第1部終了。
これは燃えました。だってもうイメージ優しいお嬢様だったモードが、相思相愛だと思い込んで罪悪感にさいなまれるスウに「ああ、お可哀想な奥様!」とかいって嵌めるんですから。この裏切り!じつに素晴らしかったです。
ところがねー…、第2部と第3部がグダグダダラダラしてまして、まあとりあえずモードとスウの愛だけは本物で、他が全部ニセモノ、という展開でした。生い立ちとか、信じる家族とかが全部裏切ります。えらい学者だと思ってたブライア城の城主の伯父さんが、ただのエロ本マニアで、膨大な蔵書が全部エロ本。そしてモードはエロ小説を美女が朗読という老人のマニアックな趣味に付き合わされてたり…化けの皮がはがれるのを楽しみにしたらいいんでしょうかね?
だから4つ星は第1部だけの価値になります。かなり追い詰められた状況になるんで、痛快な局面打開を見たかったんですけどね。第3部なんてVS紳士の大まとめシーンでなんかゴチャゴチャしてるうちに紳士が刺されて終わったり。
シメはエロ小説家になってしまったモードのところへスウが訪れ、
「なんて書いてあるの?」
「わたしがあなたにしてほしいことよ。来て…」
となって終わりです。
第1部が本当に良かった。盛り上がって盛り下がって、最後に盛り上がる、そのままバッドエンドで問題なかった。これが2004年のNO.1ミステリーというのは、どうかな、という気はします。「マリア様がみてる」とか流行ってたみたいですからねー。読んでないけれども。
全体に、そーいう禁忌的な空気は漂ってまして、例えばブライア城の下働き少年チャールズ君(金髪)は紳士に堕とされちゃってるし…。
以上でした。
ところで、なんで海外の小説は「ふざけんな!」「だまれよ、この!」「うっせえ、この売女!」とかの罵りあいをあれほどクローズアップしていくのか、良く分かりません。だって差が無いのにあんな何回も出されても。