雑記

親愛なる○○に捧げる

トレース問題のこと

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ここ。

とりあえず「SLAMDUNK」の井上雄彦!
絵のレベルの高さにあらためて気づきます。服のしわ!!驚愕です。


この件に関しては、パクった末広って人があまりに可哀想な気がしますわ。バガボンド連載してる講談社の作家が、騒ぎ起こすと不味い。法的にはなんとも無いけど、多分もう井上がいる限りは講談社で仕事できないでしょう。回収&絶版!

一方、この検証サイトの作者の腕の良さに、私は少々の感服と恐怖をおぼえましたよ…このサイトが一人の漫画家を追い込んだわけでね。年金も無い業界で、自分は安全な場所からさ。スキャナーとフォトショ、あるいはコピー機とトレース台が進化し、廉価になってきたおかげで、確かに構図とかは盗みやすくなってます。で、それが暴露されて、問題にされ、大騒ぎになるようにもなってきたわけで。
「時代って怖いわー」
「怖いのはいつの時代にでもいるこいつだよ、超粘着」
(鈴木みそ『銭』より脳トレース)

私でいくと、覚えてる範囲で『M74』の66ページはミレーの「晩鐘」っていう絵のパクリ。…67ページは最近の「ああ!女神様!」の…スイマセン、怖いんでこれ以上は勘弁してください。ちなみに『M74』はサルマネうんぬんが取り沙汰される作品です…  orz

ちなみに、下に敷いて、透かして「なぞる」のがトレースらしい。目トレースとトレースを分けたとして、書道でいうとお手本を基に書くのが目トレース、下に透かしてちょっとづつ塗っていくのがトレース…私はコピー機の用意が無いので、残念ながらこれは出来なかった。持ってたらやってたような気がする。ていうか、この件で井上雄彦の服のしわの凄みを実感し、コピー機購入を検討すらしている。

ちなみに、中学時代に書道の夏休みの宿題で、私は後者のトレースで宿題を提出し、優秀作として飾られたことがある。

そのことは秘密にした。仲のいい友達にバラしたが、「あったま良いなーお前」だった。粘着の子とかにバラしたらやばかっただろうな。思うに、ちゃんと練習して飾られるくらい努力していれば、現在において字が下手なことで上司に怒られることもなかっただろう。実際、「予想外に飾られた」ことに対して、バツの悪い思いっていうか、葛藤をしたことだけは事実だ。

とにかくこの件では、プロ漫画家というのは実に厳しい世界なのだな、と思った。だって仮に目トレースでも、それを完璧に出来ちゃうならトレースと見分けがつかないし、ああいう検証サイト出されたらぐうの音も出ないよ!目トレースが完璧に出来るわけじゃないけど、私にすれば、現に紙に向って、イメージ仕切れてないものを描くのは本当に難しい。描いてて自信が無い。例えば資料本をよーく見て、本を閉じて描いて(開けながらだと描きにくい)、描いた後に本を開けて、あってるか確かめ、あってない線を消して書き直す…これも結構やばい行為だろうか?うーん。

自分ルールでコレがOKなら、コレで良いんだろうと思うのだ。どうせたいして気に入らない絵になってしまうが、漫画は絵と文章と物語と構図と、とにかく全体で見るんだから全体で達成感や満足が得られるなら、まずはそれで良いんじゃないか?漫画はべつに芸術じゃない。何度も何度も上から色を塗る、絵画じゃない、エンターテイメントだ。娯楽だ。そして才能も資本も人脈も乏しい人でも、老いも若きもチャレンジできるくらい表現の方法が幅広く、面白いものだ。ハンターはネームでも面白いし、カラーもありえるじゃあないか。

実際に金稼いでるプロ漫画家が、写真、資料、他の作者のマンガ、トレースを一切やってないと言い切ったら…才能の乏しい私のようなアマから見ても疑わしい。何人いるのだろう。
前に写真トレースで愚妹の話をしたものの、ああいう才能がある人しか漫画家になれないのだとすれば、ちょっと夢が無い話だ。
でも例えば井上雄彦がNBAの写真やビデオをパクってないと言い切ったとして、この人が言うなら信じても良い。井上雄彦はやっぱすごいと思う。今回の件では、カリスマ性の差も出たんだろう。


この件ってある程度、踏み絵的な感じがしますわ。
世の創作を重んじる人(表現問わず)が、このニュースに反応しない訳無いと思うし、身に覚えのある人は言い訳する、擁護する。スルーする。私は身に覚えがあるし、擁護派。スルーが一番賢いと思うけど、まあしかし出来れば一般にバレない程度のパクリ方法や資料探しを習得したいと思う。その意思を込めて擁護派。この件があって、67ページはいつかまた直したいです。

完全無欠のオリジナルの人を尊敬したい。その人は、私が得られなかった最大の才能を持ってるんだと思う。ゼロからキャラ作って、物語考えて、舞台考えて、展開と決めゼリフ、さらに実にかっこいい構図。今や漫画が映画になるくらいだけど、映画が何百何千のひとで作るのに、漫画は一人の作者と数人のスタッフで作る。それをゼロから!なんて巨大な才能なんだろ。私はプロを目指してないし、映画志向じゃないけど、(多分ゲーム志向が一番強い)せめて「プロ漫画家」の、完全オリジナル創作者のそういう気分でいたいのだと思う。才能が全然足りないけども、その気分を味わうためには、足りない才能をトレースで補うくらいの根性が必要だ。トレースだって難しいし、手間だし、一度やってみたらいいんだよ。写真トレースはサイズの問題もあるし、影で見え難くなった部分を、どこを線として抜いたらいいか、本当に迷うんだからさ。


ワープロというものが生まれたおかげで、字が下手でも精神面以外では困ることがあまり無い。いつか頭にコードを繋いで、イメージだけで絵が描けるようになったら、この件は問題にすらならなくなるだろうさ。